Ars Magica キャンペーンでは5版の市販シナリオ
Calebais: the Broken Covenantを用いる予定です。
50年程前に放棄された Calebais という Covenant 跡地の周辺で最近いくつかの問題が起きていて、これを放置すると Order of Hermes 全体にとってよくない事態になるのではないか・・・というのがおおまかな導入です。
- Order of Hermes のためにダメージコントロールを行う。
- ダンジョンを探索し、アイテムをゲットする。
- 昔 Calebais で何が起こり、現在何が起きつつあるのか、を明らかにする。
- 個性的な NPC の面々とうまく交渉を行う。
等の多彩な要素を含んだ内容となっています。
このシナリオはもともと、Ars Magica 初版用に作成されたもので、その後2版用に改訂され(The Broken Covenant of Calebais, Lion Rampant, 1990)、今回さらに5版用に改訂されました。2版用のバージョン(以後「旧版」)によれば、初版用のバージョンは44ページだったとのことですが、旧版はハンドアウトを含めて実質59ページ、5版用(新版)は91ページと、順調に長くなっています。
何がそんなに増えたのか、というのは、シナリオなだけに書きにくい部分もあるのですが、主要な変更の1つとして実は上述の導入の「最近起きているいくつかの問題」は新版で新しく付け加えられたものです。これを加筆することによって、「なぜ今 Calebais なのか」という点の説得力が増し、また Order 外の世界との関わりがよりクローズアップされています。一方、登場キャラクターが増えてシナリオの焦点がぼけたという気がしなくもありません。また「初期探査の後、必要な呪文等を準備して改めて探索に向かう」という感じでゆっくりと攻略するようアドバイスがあって、実はこれは旧版からある記述なのですが、その一方で上述の加筆によって「Order のダメージコントロール」的な要素が付け加わりタイムスケジュールはきつくなっているはずで、ちょっとちぐはぐな印象を受けます。このへんは少し手を入れて遊ぶことになるでしょう。
リドル関係のハンドアウトは新版でなかなかいい感じに描き直されていますが、マップ類は旧版の方が見やすいように思います。旧版ではシナリオで登場する手紙が手書き文字でハンドアウトとして使えるように用意されていたのですが、これは新版では普通の書体の印刷になっています。設定上はもともとたぶん英語で書かれたものではないのでこだわってもしかたがないのかもしれませんが、旧版の方が雰囲気があることは確かです。まあでも結局日本語訳を用意することになるんだろうな。後、旧版にはあった Calebais の紋章の絵が新版には掲載されていないのですが、どうしてでしょうね。